三十三観音尊像 回廊内
大日堂と大師堂を結ぶ回廊のほぼ全体に渡って三十三躯体が安置されている。西国三十三観音霊場にちなんだ仏像となっているが実際の霊場寺院の御本尊とは異なる様式の仏像が安置されているのが見受けられる。
寺伝によれば大坂福島の松浦惣助等が明和期に寄進したものと伝えられている。27番「書写寺」(書写山 圓教寺)の台座には、寛政2年(1790年)4月に坪井氏が施主となって建立された。
施主は当寺周辺に限らず徳島市中、西日本各地に広がっていることがわかる。阿波国(徳島県)以外では現在の長崎県、高知県、大阪、香川県などからも寄進を受けている。
ただし「講中」などの組織ではなく、家単位しかみられない点に特徴がある。過去に各御像の修復がされた形跡はみられたが台座等が著しく損傷していることから平成の大改修事業の一環で三十三駆体の修復がされている。